CH90

モーガン

目を開けると、陽の光が視界いっぱいに広がり、海面をきらめかせていた。雲が集まり、凝縮して一羽の鳥の形を成すと、そのまま海風に乗って漂った。やがて雲は炎に包まれ、美しく輝く不死鳥(フェニックス)へと姿を変える。まるで古いタペストリーから抜け出してきたかのようだった。雲の切れ間から陽光が踊るように差し込み、水の音が聞こえてきた。

不死鳥は私の目の前に立ち、私と同じ姿をとったが、その瞳はすべてを見通すような黄金の輝きを湛えていた。

「あれは、あなたの過去世だったのね?」

「『私たちの』よ」彼女は微笑んで言った。「『私たちの』過去世だ」

心臓が早鐘を打ち、喉元までせり上がった。「わ...

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