第106章 自分の価値を示す

「水を一口飲ませてもらえませんか?」

女は掠れた声で言った。唇はひどく乾燥し、皮がめくれている。

「あなたたちは快晴基地の人ですか?」

小川強は、二人が飢えきっており、特に脅威には見えないものの、警戒を解くことはなかった。二人ともすぐに自分の食べ物を引っ込める。

「私たちはL国地下基地から来ました。ここに食料があると聞いて、わざわざここまで来たんです。あなたたちの基地は生存者を受け入れていると聞きました」

「L国基地の生存者?」

小川強は驚いて二人を見つめた。

最近、L国基地とは協力関係にあったが、L国の生存者が千里の道を越えてここまでやって来たのは初めてだった。

「...

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