第142章 終末の世界(心拍数が上がり、空間アップグレード成功)

渡辺千咲はもう腹が空いていた。空間から取り出した温かい食べ物は、すべて彼女が事前に買っておいたものだ。

ただ、もう二日近く風呂に入っておらず、全身がべたついて気持ち悪い。次に帰れたら、絶対にシャワーを浴びようと心に決めた。

この終末世界はどこもかしこも埃っぽく、精神的な潔癖症でもあるのかもしれない。なにしろ、時折あの気色の悪い変異動物やゾンビを狩らなければならないのだから。

二時間ほど経った頃、遠くから一台の車が猛スピードでこちらへ向かってくるのが見えた。

渡辺千咲はすぐさま興奮して立ち上がった。中島暁が来たのだとわかった! ついに彼が来てくれた。

彼女は慌てて車の方向へ駆け寄る。...

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