第266章 結婚しよう

渡辺千咲が直接異能を凝集させると、バスタブの周りが瞬く間に氷結した。

辺りの熱気も次第に冷めていく。

渡辺千咲が凝集させた氷は少しも溶ける気配がなく、対する中島暁は全身から炎を迸らせた。

炎はより一層赤金色に輝き、非常に眩しい。

燃えるような赤と、周囲の氷のような青が見事に互いを侵食することなく存在している。

「中島暁、具合はどう?」渡辺千咲が心配そうに尋ねた。

「ん……」

中島暁の喉が上下し、嗄れた声が漏れる。

灼熱の炎と氷が水蒸気を発生させ、辺りに立ち込めていく。

まるで柔らかなヴェールのように、浴室全体を覆い尽くした。

特に中島暁の服は、その熱で跡形もなく燃え尽きて...

ログインして続きを読む