第31章 中島暁が彼に与えた歌詞本

「中島さん、こいつらはどうします?」高橋良介も、この十数人をどう扱っていいか分からなかった。

彼らが食料を奪おうとするのは、すべて阻止された。

「ひとまず置いておこう。食料を少し分けてやれ」

今は労働力が不足しており、正式な壁で囲まれた基地を建設するには人手が必要だった。

「しょ、食料を分けてくれるんですか?」男はそれを聞くなり、興奮を隠せない様子だった。

「ああ!お前は進化者か?」

男は明らかに他の者たちよりずっと屈強だった。

「はい!弟もです!」男は慌てて自分の価値を示し、弟を引っ張り出した。

八、九歳ほどの少年が引き寄せられる。進化者ではあるようだが、おそらく長期の栄養...

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