第58章 終末世界の冷却

前田朱里は本気で呆れてしまい、笑いがこみ上げてきた。小林沙夜のルックスは悪くない。だからこそ、彼女を引き立ててやろうと思ったのだ。

「私はただ、ちゃんとお芝居がしたいだけです。あんな人たちに媚びたくありません」

毎回投資家との飲み会に付き合わされ、それだけでなく、マネージャーである自分たちまでもが彼女たちを様々な酒席に連れて行かなければならない。

「はぁ……調子に乗らないでくれる? 行きたくても行けない子だっているのよ。ただお酒に付き合うだけでしょ? この業界で誰がお酌してないっていうの? あなたに少しは容姿が備わってるから目をかけてあげてるだけなのに!」

小林沙夜は首を横に振...

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