第82章 人間に値しない

「変異ゾンビではない。俺が疑っているのは、あの『人喰い』どもだ。ドローンが映像を捉えたが、我々が着いた頃にはもう手遅れだった」中島暁の眼差しが次第に冷たくなっていく。

同類を食らうなど、奴らはもはや人である資格はない。

かつて高橋忠たちも遭遇したことがある。食料が尽きた奴らは、間違いなく生存者の痕跡を求めてそこら中を嗅ぎ回っているはずだ。

「高橋忠たちにドローンを持たせて捜索させろ。奴らなら、一度見ているから見分けがつくはずだ!」

「最低でも五人一組で行動させろ!」中島暁は言った。

「了解しました!」

最近失踪したのはいずれも二人組だった。大人数のチームには手を出さないということ...

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