第96章 やっぱり言わないでおこう

「本気で言ってるのか? あのダイヤの指輪が、一千万もするって?」渡辺大和は目を丸くした。

「本当よ! あれはDrの豪華モデルなんだから!」

「偽物って可能性はないのか?」渡辺大和はやはり信じられなかった。従妹がそんなに金持ちになったっていうのか?

一千万もするダイヤの指輪を、いとも簡単に贈ってしまうなんて?

「私が何の仕事してるか、知らないわけじゃないでしょ? どうして偽物なわけ? それに、おばさんが着けてたあの翡翠の腕輪、少なくとも高級氷種よ。値段も安くないはず」

「数百万はしないと買えないわよ!」白石晴は言った。

彼女は渡辺大和の叔父の家が、なんて金持ちなんだろうと思った。

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