第100章

篠原流輝はこの声に聞き覚えがあった。昨夜、空見灯との電話越しに聞こえた男の声と同じだ。

夜の十時を回っているというのに、二人はまだ一緒にいるのか。一体どういう関係だ?

空見灯のライブ配信に映り込んだ男の姿が脳裏をよぎる。篠原流輝は低く唸るような声を絞り出した。

「てめぇは誰だ? なんで空見灯と一緒にいる?」

「俺は、彼女の夫だ」

その一言に、電話の向こうの篠原流輝だけでなく、隣にいた空見灯までが呆気にとられた。

関係は公にしないという約束だったはずだ。どうしてあっさりと言ってしまうのか。

篠原流輝は何かを思いついたように、鼻で笑った。

「ああ、てめぇがあの警備員か?」

以前...

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