第113章

空見灯は軽く肩をすくめた。

「なら、仕方ありませんね」

唐沢琉璃はその態度を見て、今すぐ席を蹴って立ち去りたい衝動に駆られた。

灯火エンターテインメントに唐沢家が巨額を投じていることは、空見灯も承知していた。映画製作、宣伝広告……湯水のように金がかかる。唐沢琉璃は篠原流輝の才能に目をつけ、彼なら稼げると踏んで投資したのだ。

そして、彼女がいまだに撤退していないのは、空見灯が持つ楽曲の著作権と、その背後にいる桐谷憂という存在があったからだ。うまくいけば投資分を回収できるという計算があったのだろう。

だが今、空見灯は彼女の持ち株を要求している。そんなこと、呑めるわけがない。

無言の睨...

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