第122章

「灯、牛乳だけか? 口に合わんのか?」桐谷大正はサンドイッチを空見灯に差し出し、心配そうに尋ねた。「それとも、昨日の疲れが残っとるのか?」

観月蒼の昨日の言葉を思い出し、空見灯の顔が瞬時に朱に染まった。

「い、いえ、違います」

桐谷大正は桐谷憂を横目で睨んだ。

「全まったく、お前は気遣いというものを知らんのか。あんなに疲弊させて」

口調こそ厳しいが、機嫌はすこぶる良く、その表情には笑みが浮かんでいた。

樫野の言う通りだ。この二人がこのまま家に住み続ければ、曾孫の顔を見るのも夢ではないだろう。

孫の変化は目に見えて明らかだ。この二人が真に想い合うようになれば、いつ死んでも思い残す...

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