第142章

空見灯が来訪することを知り、五十嵐悠真は自ら社屋のエントランスで待ち受けていた。

車から降り立つ彼女の姿を認めるや、彼は足早に歩み寄る。

「空見さん、本日はまたどういった風の吹き回しで? プロジェクト会議は明日のはずですが」

「中で話しましょうか」

空見灯は用件を即座には明かさない。五十嵐悠真はすぐに違和感を覚えた。

何より、今日彼女が乗ってきた車は桐谷憂のものではない。五十嵐悠真の胸中に、奇妙な予感が走る。

社長室へ通すと、空見灯はようやく口を開いた。

「実は、桐谷グループを離れました。もう星芒メディアの人間ではありません。現在の私は灯火エンターテインメントの所属……いえ、私...

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