第146章

空見灯は電話を受けるや否や、一刻を争うように病院へとひた走った。

廊下では成田響が今か今かと待ち構えていた。

「やっと来たか!」

彼の声が響くのとほぼ同時に、病室の扉が開く。

成田夏目が空見灯の姿を認めるなり、その腕を引いて強引に中へと引きずり込んだ。

「急げ、心停止だ。予断を許さん!」

彼は心底焦っていた。彼女が桐谷憂の妻であることなど、今の彼には二の次だった。

成田響は即座に周囲の人間を退去させた。聞きつけた徳川命も駆けつけ、桐谷大正の容態が思わしくないと知るや、手下に命じてフロア全体を厳重に封鎖させた。

「徳川さん、お先に失礼します」

成田響は徳川命に軽く会釈して病室...

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