第166章

空見灯が目を覚ますと、すでに翌日になっていた。

観月蒼が深く眠っているのを確認し、彼女は足音を忍ばせて病室を後にした。

だが、ドアを閉めて振り返った瞬間、そこには桐谷憂が立っていた。「帰らなかったの?」

「ああ。朝飯、一緒にどうだ?」

桐谷憂にしては珍しく、いつもの五つ星ホテルのケータリングではなく、病院の食堂で買ってきた質素な朝食を手にしていた。

空見灯も拒む理由はなく、そのまま彼について桐谷大正の病室へと向かった。

二人揃って現れた姿を見て、桐谷大正は顔をほころばせた。「灯や、先生の具合はどうだね?」

「まだ眠っています。数日は安静が必要でしょうけど、もう安心ですよ」

空...

ログインして続きを読む