第254章

部屋に戻ると、空見灯はようやく桐谷憂に事情を尋ねた。

桐谷憂は彼女の手を引き、ソファに隣り合って座らせた。「灯、君を気絶させたのは桐谷青山だ」

「桐谷光希のお父様が?」空見灯は目を見張った。会社で一、二度見かけた程度だが、それほど重要なポストに就いているわけでもない彼が、実験室になど行くだろうか?

彼女は眉を寄せ、すぐに首を振った。「違うわ。アセチレンで人を昏睡させられるなんて、彼は知らないはずよ。アセチレンが何なのかさえ分かっていないかもしれない。……きっと、赤城凛だわ」

桐谷憂は頷いた。「あの一家全員が関わっている。橘芽依が言っていただろう? 桐谷光希が彼女と手を組みたがっていた...

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