第107章

ベッドに横たわり、藍原華月は碧井天川の腕の中に身を預けていた。耳に届く力強い鼓動が、彼女の心を満たしていく。

 その時、碧井天川の腹の虫が「グゥ~」と鳴いた。

「お腹、空いた?」

 華月は彼の胸に顔を埋めたまま見上げる。そこでようやく気がついた。彼は今日一日働き詰めでお昼も食べていなかったのだ。

「まあな」

 天川の声は淡々としていた。確かに空腹だが、それ以上に彼女を抱きしめているこの時間が心地よかった。

 だが、食いしん坊の華月は、空腹の辛さを誰よりも知っている。

 彼女はすぐに身を起こし、スリッパを履いた。

「何か作ってくるわ。でも腕前は期待しないでね、大したことないから...

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