第108章

 藍原華月の作ったラーメンが本当に美味しかったのか、それとも作った人間への愛情ゆえか。碧井天川はその一杯を綺麗に平らげた。

 温かい麺が胃に落ちると、不快感がすっと引いていくのを感じる。

 以前から仕事で遅くなり、夕食を抜くことが多かったせいで、彼は慢性的な胃痛持ちになっていた。時折、胃がしくしくと痛むのだ。

 自分の作った料理が彼に完食されたのを見て、藍原華月の胸に達成感が広がった。何しろ碧井天川は舌が肥えている。そんな彼がスープまで飲み干したのだから、余程気に入ったに違いない。

「あなた、私の作ったラーメン、好き?」

 彼女はテーブルに頬杖をつき、目をキラキラと輝かせながら答え...

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