第15章

私が碧井天川に付きまとってる?

 冗談じゃない!

 碧井家に嫁いだのは、向こうが無理強いしてきたからだ。それなのに、どうして世間では私が手段を選ばず碧井家に潜り込んだことになっているの?

 藍原華月は朝倉紗雨に反論するのも億劫だった。今はただ、碧井天川の帰りを待ち、一言告げてから立ち去りたかっただけだ。

 外で女を作ろうが干渉する気はない。だが、それは泥人形のように黙って彼女たちのいじめを受け入れるという意味ではない。

 朝倉紗雨がさらに何か言おうとしたその時、オフィスのドアが開き、碧井天川が姿を現した。

「天川、会議終わったのね」

 彼の姿を見るや否や、朝倉紗雨は瞬時に表情を...

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