第178章

 碧井天川は苛立ちを隠せずに眉をひそめた。行きたくない。

 今日は特別に時間を空け、彼女たちに付き添うつもりだったのだが、小林からの電話が鳴り止まず、彼の神経を逆撫でしていた。

 碧井の母も気を使い、彼を促す。

「そうよ、華月さんがいてくれるだけで十分だわ。仕事があるなら行ってらっしゃい。何かあれば電話するから」

 母にそう言われてしまっては、碧井天川も会社へ向かわざるを得ない。

「分かりました。会社の件はなるべく早く片付けます。昼には戻って、一緒に食事をしましょう」

 二人が笑顔で頷くのを見て、碧井天川は藍原華月に視線を移した。彼女が力強く頷き返すのを確認し、ようやく安心してそ...

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