第186章

「別に」

 碧井天川は淡々と言い放った。

「あるもん。私と会ったのに、全然話してくれないじゃない」

 藍原華月は、夫の素っ気ない態度に小さな失望を覚えた。

 丸二日も会えなかったのだ。再会を喜んでくれると思っていたのに、彼の顔には何の感情も浮かんでいない。

「天川こそうんともすんとも言わないじゃない。この二日間、送ってきたメッセージなんて数えるほどだし……もう私のことなんてどうでもよくなったの?」

 碧井天川が顔を向け、琥珀色の瞳で彼女を見つめる。その瞳には、どこか拗ねたような色が滲んでいた。

「え? そんなことないよ。だって貴方は普段すごく忙しいでしょ? 邪魔しちゃ悪いと思っ...

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