第20章

「紗雨ちゃん、安心して。チャンスさえあれば、伯母様が必ずあなたの願いを叶えてあげるから」

 碧井奥様は朝倉紗雨の手を優しく叩き、諭すように慰めた。

 その言葉に含まれた意味を悟り、朝倉紗雨の瞳に驚きの色が走る。だがすぐに、それは憂いを帯びた表情へと変わった。

「でも、天川はもう結婚しています。家庭を壊すようなことはしたくありません……彼に嫌われたくないんです」

「あの女は碧井家に入る資格などないわ。私には分かるの、天川だってあの女のことなど好きではないとね。二人がうまくいくはずがないわ。あの女さえ碧井家から追い出せば、次男の嫁の座は、間違いなくあなたのものよ」

 碧井奥様の確約を聞...

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