第210章

 先ほど、あの男子生徒が友人に話していた内容を思い出し、風祭高望は体の横で拳を固く握りしめた。ギリギリと骨の軋む音が漏れる。

 相手がまだ学生でなければ、とっくに殴り飛ばしていたところだ。

 妹を弄ぼうなどと、断じて許せるはずがない!

 だが、風祭高望の言葉は風祭鈴奈を納得させるどころか、火に油を注ぐ結果となった。

「お兄ちゃんはあの人のことなんて知らないくせに、どうしてそんなふうに決めつけるの!」

 風祭鈴奈は目を赤くし、怒りの形相で兄を睨みつけた。

 どうしても納得がいかなかった。なぜ兄は、自分の恋愛沙汰にそこまで干渉してくるのか。

 志岐蒼の件は百歩譲るとしても、学校の男...

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