第83章

その言葉を聞くと、碧井天川は悪戯っぽく口角を上げ、艶めいた声で囁いた。

「俺が誰に興味を抱いているか、言わなくても分かるだろう? それとも、言葉にしてほしいか?」

 そう口にする碧井天川の眼差しは、藍原華月の全身をねっとりと愛撫するかのように、色気を含んだ視線で品定めしていた。

 藍原華月の白い頰が、カッと音を立てんばかりに赤らむ。これほど直球で大胆な視線を向けられて、何も感じないはずがない。

 その場の空気が、にわかに艶めかしい色を帯び始めたその時――。

 病床に横たわっていた碧井老人が、たまらず咳払いをした。

「ゴホン、ゴホン。お前たち、イチャつくなら場所を選べ。わしという年...

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