第95章

 雪村詩織は血相を変え、即座に反論した。

「違います、私はやっていません! 長崎唯が勝手なことを言っているだけです。藍原華月を傷つけろなんて、一度も命じたことはありません!」

 雪村詩織は長崎唯を指差し、すべての責任を彼女一人に押し付けようとした。今の彼女には、どうしてもスケープゴートが必要だったのだ。

「長崎唯と藍原華月の間に恨みなどないはずだ。あいつはお前の腰巾着だろう。指示がなければ、華月を狙う理由がない! 雪村詩織、お前は学校の掲示板の件を根に持って、こんな悪辣な真似をしたんだろう!」

 碧井奏の瞳には、噴き出さんばかりの怒りが宿っていた。今夜、叔父上が駆けつけてくれなければ...

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