第96章

 碧井奏の言葉は、雪村詩織をさらに逆上させた。彼女は奏を睨みつけると、金切り声を上げた。

「でたらめを言わないで! 飛鳥司が好きだったのは私よ! 藍原華月が生徒会にかこつけて彼を誘惑したから、心変わりしただけじゃない。人の恋路を邪魔するような泥棒猫は、制裁を受けて当然よ!」

 碧井奏は呆れ果てた。誰の目にも、藍原華月があらゆる面で彼女を凌駕していることは明らかだった。それを認めようとしないのは、雪村詩織本人だけだ。

「碧井奏、あんたいつも藍原華月の尻を追いかけ回してるけど、あいつのこと好きなんでしょ? あんな尻軽女、どうせあんたも手を出したんでしょ?」

 腕を組んで聞いていた碧井奏だ...

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