第12章

二人がしばらく一緒に過ごした後、二ノ宮涼介は冷たく九条遥を押しのけた。

「その百万を受け取った以上、もう夜のクラブで働くのはやめろ。次に行ったときにまたお前に会いたくない」

九条遥は服を整えながら、九条恋に何か怪しまれないように気をつけた。「二ノ宮社長、冗談でしょう?私がどこで働こうと、私の自由じゃないですか?」

「もちろんだ。ただ、気分がいいときにお前みたいな奴に会いたくないだけだ」

確かに、彼らの数回の出会いはどれもあまり楽しいものではなかった。二ノ宮涼介が彼女にこれを言うのも一理ある。

「わかりました。これからは気をつけます。二ノ宮社長に見られないようにします」

彼女の動作...

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