第14章

羽川初美は先ほどから別荘内の動きを注意していたが、今、九条遥とその娘が慌てて走り出てくるのを見て、瞬時に何が起こったのかを理解した。

車のドアを開けて九条恋を抱き上げたが、次の瞬間、九条遥は二人のボディガードに引き戻された。

二人のボディガードは非常に力が強く、一人ずつ九条遥を地面に押さえつけた。

「申し訳ありません、お嬢様。これは旦那様のご意向です」

「お母さん!お母さん!」

九条遥は二人のボディガードの態度を見て、九条航が何をしようとしているのかすぐに理解した。

「まず恋ちゃんをD京に連れて行って。私は何とかして戻るから」

「ダメ、お母さんも一緒に行く!」

恋ちゃんの呼吸...

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