第19章

九条遥はアシスタントに見守られながら薬を飲み、医者の全面的な検査を受けた。ホテルに戻ったのはそれから30分後だった。

アシスタントは離れず、九条遥を車に乗せた。

「これはどこに行くの?特に用事がなければ家に帰りたいんだけど」

「二ノ宮社長の指示です。今日はどこにも行かせません。どうしても出て行くなら、強制手段を取ります」

九条遥は昨日、二人のボディガードに押さえつけられた感覚を思い出し、体が微かに震えた。そして静かに後部座席に座った。

車はスムーズに走り、すぐに別荘の前に到着した。

別荘のインテリアは九条遥の好みで、とてもシンプルで清潔感があり、見ていて心地よかった。

車がゆっ...

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