第20章

二ノ宮涼介は食事中とても静かで、その姿はまるで芸術品のようだった。付き合っていた頃、九条遥は彼が食事をする姿を見るのが好きだった。

「俺を見てどうするつもりだ?いつでも俺を殺す準備でもしているのか?」

「あなたの頭の中には、もっと良いことを考えられないの?」

二ノ宮涼介は頷いた。「確かに、これからベッドでいいことをしようと考えていた」

九条遥は一口のご飯が喉に詰まり、しばらく咳き込んだ。二ノ宮涼介は笑いながら水を差し出した。

九条遥が水を飲み終わると、電話がかかってきた。羽川初美からだった。

「咳咳……どうしたの?」

「ママ、大丈夫?おじいさんがまたいじめたの?おじいさんは悪い...

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