第37章

「いえ、そうじゃないんです。お子さんは学校ではとても良い子なんですよ。ただ、数日後に親子活動があるんです。通常このような活動はお父さんが付き添うものなんですが、私たちとしては、これだけ長い間お子さんのお父さんにお会いしていませんし、子供の成長過程において、父親という存在は欠かせないものですから、今回の親子活動では……」

九条遥は、九条恋が病気ではないと知った瞬間、胸をなでおろしたが、すぐに先生の言葉に深い自責の念に駆られた。

「先生、実は子供の父親はもう……」

電話の向こうですぐに九条遥が何を言おうとしているのか察したのか、すぐに応じた。「大丈夫ですよ。今はお子さんも元気に育っています...

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