第51章
手術後、九条遥は丸一日意識を失っていた。
二日目の夜になってようやく目を覚ました。
二ノ宮涼介はベッドの傍らで伏せるように眠っているようだった。
九条遥は一瞬体の傷を忘れ、両腕で身を支えて起き上がり、傍らの薄い毛布に手を伸ばそうともがいたが、その動きが左胸の傷口を引っ張り、痛みで思わず息を飲んだ。
浅い眠りについていた二ノ宮涼介はすぐに目を覚ました。
彼は九条遥を押し戻してベッドに寝かせ、眉をひそめて冷たく言った。「何を動き回っているんだ?」
「ずっと私のことを見ていてくれたの?」
彼はきっぱりと否定した。「いや、これまではずっと浦崎が見ていたんだ」
本当かしら?
でも彼の...
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