第102章 必死

大蛇に攫われてから三日目。

怪我はほとんど回復したが、逃げ出す機会は一度として訪れなかった。

二頭の大蛇は毎日、一頭が狩りに出て、もう一頭は洞窟に残り俺を見張っている。

何度か試してみたが、俺が少しでも動こうものなら、眠っているように見えた大蛇が即座に目を覚まし、その暗い黄色の瞳で俺の一挙手一投足をじっと見据えるのだ。

「もう待てない! 三日も経てば、琉衣は大蛇の残した痕跡を辿ってこの辺りまで来ているはずだ! この洞窟を見つけられたら、その時こそ危険だ!」

水原琉衣に来てほしくはない。だが、それがただの幻想に過ぎないことも分かっていた。

機会がないのなら、俺が創り出すまでだ。

今...

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