第107章 激しい戦い

俺の説明を聞いて、水原琉衣の泣き声がぴたりと止んだ。彼女は疑わしげな声で訊ねてきた。「本当?」

俺は全神経をそいつに集中させていたが、向こうは悠々自適といった様子で、まるで俺を眼中にないかのように、長い鞭のような尻尾を気ままに揺らしている。

「嘘じゃない。早く行け!」

俺は依然として振り向かなかった。水原琉衣は半信半疑といった様子で地面から立ち上がると、洞窟の入り口の方へと歩き出した。

その時、そいつが再び動いた。

まるで物の怪のような速度だった。四肢で地面を蹴ると、その体は宙を舞い、洞窟の壁を駆け上がって俺を迂回し、水原琉衣を追いかけていった。

俺の心臓がどきりと沈む。この黒い怪...

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