第114章 黄金の果実

古川陽の姿が俺の瞳から次第に消えていく。白い大蛇の移動速度は非常に速く、周囲の景色がぼやけていった。

俺は白い大蛇の尾にきつく巻き付かれ、その激しい揺れに、今日は何も食べていないにもかかわらず、胃の中がかき回され、吐き気がこみ上げてきた。

白い蛇の鱗が手の甲を擦る。だが、それは決してざらついてはおらず、むしろ滑らかで、ひんやりとしていた。

その流線型の頭部を見ていると、ふと、この白い大蛇には俺に対する悪意がないのではないか、という感覚が湧いてきた。

俺を見るその眼差しもそれほど凶暴ではなく、珍しくもどこか温和な光を帯びている。

これがただの錯覚なのかもしれない。

しかし、これほど巨...

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