第116章 大蛇を救う

白い大蛇は巨石に身を巻きつけ、ゆっくりとそれを運び出していく。見るからに骨が折れそうな様子だった。

その光景に俺の心臓がどきりと跳ねる。この巨石は確かに大きいが、大蛇にとっては朝飯前のはずだ。どうしてこれほど苦労しているのだろうか?

目を凝らしてよく見ると、大蛇の白い鱗がかなり剝がれ落ち、そこから真っ赤な血が流れているのが分かった。

巨石が完全にどかされた瞬間、巨大な尾が洞窟の中へと伸び、俺を絡め取ると、そっと外へと送り出した。

「うわっ!」

外の光景をはっきりと目にし、思わず声が漏れた。

野生の馬のようでもあり、サイのようでもある野獣の死体が、洞窟の外の平地を埋め尽く...

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