第125章 襲撃殺

好機《チャンス》がないのなら、創り出せばいい!

さらに一時間近く待ち、谷の中の物音が静まったのを見計らって、俺は匍匐前進でゆっくりと入口の方へと近づいていった。

距離が十数メートルほどになったところで、俺は慎重に軍刀を取り出し、地面から泥の塊を大きめにえぐり取って手に掴むと、そっと横の方へ投げつけた。

立てた物音はそれほど大きくはないが、ちょうど入口にいる野人に気づかれる程度にはなった。

視界の中で、二人の野人が警戒するように立ち上がり、互いに視線を交わす。

しかし予想外なことに、二人の野人はなんと一緒にこちらへ向かって歩いてきた。

「くそっ! 用心深すぎるだろ! また難...

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