第129章 もう君に絞り尽くされた

「野人の谷に?」

その答えに俺は一瞬、呆気に取られた。

となると、新たな問題が浮上する。

野人は十中八九、燃料なんてものを知らないだろう。だとしたら、奴らはそれを壊してしまっていないだろうか?

たとえ壊されていなくても、燃料が野人の谷にある以上、まさかもう一度、野人の谷に夜襲をかけなければならないのか?

「ええ、私、見ました。あの背の低い野人が燃料の入った樽を自分の住処に運び込むのを!」木村双葉が唐突に言った。

俺はしばし考え込み、頷いた。「燃料が無事なら、一つ目と二つ目の難題は解決できそうだな! だが、第二の策も用意しておくべきだ!」

眼鏡をかけた中年女性が俺の言葉を引き継いだ。...

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