第136章 助けられる

「クソッ! やられた!」

俺はひどく苛立っていた。自分の不注意を責めているのか、それとも毒まで使うこの人食い樹の卑劣さに腹を立てているのか、自分でもよく分からなかった。

だが、これ以上ここに留まってはいけないことは分かっている。すぐに離れなければ、この先どんな危険が待ち受けているか知れたものではない。

唇を強く、血が滲むほどに噛みしめる。痛みでわずかでも意識を保とうとした。

両足が走り出す。しかし、その速度は普段よりずっと遅い。

やっとのことで一本の人食い樹の枝の攻撃範囲から逃れても、すぐに別の木の攻撃範囲に入ってしまう。

目の前に広がる無数の人食い樹を前に、俺の心は絶望に沈みかけ...

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