第23章 ボディーガード木川鋭

この人跡まれな地域で、私はおよそ10分ほど歩いた。

ここの樹木は天を突くほど高く、地面は黄色い落ち葉で覆われていた。緑の木々と黄色い地面が織りなす景色に、陽光が降り注ぐと、まるで桃源郷のような光景を作り出していた。

しかし、これが本当の桃源郷でないことは私にはよく分かっていた。ここには様々な危険が潜んでいる。毒蛇や毒虫、ムカデなど。私が今踏んだ落ち葉の下には、知らぬうちに毒虫を踏み潰してしまったかもしれない。

私は木の棒を手に持ち、注意深く地面を叩きながらゆっくりと前進していた。

この行為が本当に毒蛇のような危険を追い払えるかどうかは確信できなかったが、何の備えもなく突っ込むよりはず...

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