第33章 甘い夜

夜が近づいてきた。

外の空を見てから、先ほど組み立てておいたテントに潜り込んだ。

クルーズ船から探し出した物資のおかげで、俺と水原琉衣の生存環境はかなり改善された。

テントに入ってきた俺を見て、水原琉衣の美しい顔に赤みが浮かび、か細い声で尋ねた。

「クロはちゃんと落ち着いた?」

「心配するな、木の枝と蔓でちゃんと簡易テントを作ってやったよ!」

水原琉衣の真っ赤になった頬を見ていると、思わず頬を甘噛みしたくなる衝動に駆られた。

俺は熱のこもった視線で彼女を見つめた。水原琉衣も少しの間俺と目を合わせていたが、明らかにそれ以上は耐えられないという様子で、恥ずかしそうに俯き、照れ臭そう...

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