第40章 あなたは怪物でしょう

私と古川陽はこの原生林の中を歩き回っていた。

地面には枯れ枝や落ち葉が厚く積もっており、踏むとふわふわとした感触だったが、時折現れる毒虫がその心地よさを台無しにしていた。

古川陽の話によると、今回のクルーズ船の事故では多くの犠牲者が出たものの、まだ多くの生存者もいるとのこと。そして古川陽は今、その生存者グループのリーダーを務めているらしい。

私はもちろん真っ先に水原琉衣のことを尋ねたが、古川陽はただ無力に首を振るだけだった。それで私の気持ちは再び底に落ちた。

「大丈夫だ、水原さんは吉人天相だ。問題ないさ!」古川陽は少し間を置いてから、あまり効果のない慰めの言葉を口にした。

私は無理...

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