第64章 千葉弘也の妹

いや、違う。

必ずしも草食動物とは限らない。雑食動物である可能性も十分にある。ただ、ここ数日肉を口にしていないだけかもしれない。

俺はすぐに別の可能性を思いついた。

だが、なぜか最初の考えこそが正しい気がしてならなかった。

手早く穴掘り獣を処理し、鱗を綺麗に洗い、木の根元に目印をつけてから穴を掘って埋めた。

「持っていかないの? なくしたらどうするの?」水原琉衣が不思議そうに尋ねる。

俺は首を横に振った。

これらの鱗を合わせると十斤ほどの重さになる。大した重さではないが、俺たちの物資はすべてあの洞窟の下敷きになっている。入れる鞄もなく、持ち運ぶのも面倒だ。それならここに置いておき...

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