第81章 獣の大群来襲

「古川陽、気をつけろ、来たぞ」

古川陽に注意を促すと、俺は背中に差していた斧を抜き放った。

古川陽も闇夜に響くカサカサという音を耳にし、途端に緊張した面持ちになる。

なにしろ、俺が離れていたこの間、古川陽は夜になると常に神経を張り詰めていたのだ。この聞き慣れた音を再び耳にし、俺が忠告するまでもなく、それが何であるかを察していた。

そして闇の中、その物音は徐々に近づき、ますます大きくなっていく。

俺は果実を食べたおかげで、夜でも多少は物が見える。顔を上げて見ると、三匹の長クチバシ怪が、猛烈な速さで俺たちの避難所へと突進してくるところだった。

「急げ、あの畜生どもが来た」

俺は身を屈...

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