第83章 気絶

水原琉衣の決意がそれほど固いと見て、俺も断らずに彼女に言った。

「わかった、琉衣。だが、後で気をつけろよ」

水原琉衣に何かあってほしくないという気持ちがないわけではない。だが、彼女が本当に俺と肩を並べて戦いたいというのなら、俺には到底止められないだろう。それに、水原琉衣も力の果実を食べている。もはや、誰もが虐げられるようなか弱い少女ではないのだ。

何より、水原琉衣も松明を手に持っており、安全は確保されている。

「西村晴馬、次はどうするの?」と水原琉衣が尋ねてきた。

俺は古川陽たちが作ったフェンスに目をやった。正直なところ、その品質はかなり良い。あれだけ多くの長嘴怪が押し寄せても、今の...

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