第5章

ベッドの縁に腰掛け、女性クリニックの予約票を手にしていた。そこにははっきりと午後二時と書かれている。あと、三時間。

「この三時間さえ乗り切れば、すべて終わるんだ」

予約票を後ろポケットにねじ込み、ドレッサーへと向かう。鏡の中の私はひどい顔をしていた。青白い肌に、目の下の濃い隈。でも、もうすぐこれも全部終わる。

階下からコーヒーメーカーの音が聞こえる。真理奈が朝のヨガ用のハーブティーを淹れているのだろう。普通に振る舞わないと。ここ数日ずっとそうしてきたように、大学院の出願書類のことで頭がいっぱいなふりをしなければ。

深呼吸を一つして、階下へ向かった。

「おはよう、舞」真理奈は...

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