第4章

ポタ、ポタという滴の落ちる音が、秒を追うごとに大きくなる。陽介の顔が、気まずそうな表情から決意を固めたものへと変わるのに、ほんの二秒とかからなかった。

「ここにいてくれ」彼はそう言うと、もう階段へ向かっていた。「ひどくなる前になんとかしないと」

『ここにいろって?』私は彼の後を追った。屋根の修理について何も知らなくても、ここはもう、半分は私の家なのだから。

土間で追いつくと、彼はレインジャケットを羽織っているところだった。雨は今や激しく降りしきり、まるでこの家を狙い撃ちするかのように窓を叩いている。

「道具を渡す人がいるでしょ」私はフックにかかっていたもう一枚のジャケットを...

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