分離

マッケンジー

部屋は寒かった。

どこかのオフィス用品店で適当に揃えたであろう家具が、少しでも「家庭的」に見えるように配置されている。きっと、そういう意図なのだろう。だが、そこは冷え冷えとしていて、個性の欠片も感じられなかった。

おまけに、どっかのクソ野郎がサーモスタットの設定温度を下げすぎている。もしかして、その方が人は口を割りやすくなるとでも思っているのだろうか?

私をウィルから引き離した警備員は、ドアのすぐ外に立っていた。小さな窓からその姿が見える。

だから、ウィルソン捜査官が来るのがわかった。少なくとも、私は彼を捜査官だと思っていた。彼は司法長官の手下であるということ以外、自己...

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