第48章

「ふざけたことを!」

月島優奈の涙を見た上田おばあさんは、怒りがみるみる高まり、茶碗を茶卓に叩きつけた。「当初、景川が君と婚約しようとした時、家族は誰一人として賛成しなかったのに、あの子は頑として婚約を押し通し、月島里奈の遺志を尊重するなどと言い張ったのだよ!」

「そして五年が経ち、ようやく家族も君を上田家の嫁として受け入れ始めたというのに、今度は婚約を解消するだと?」

「あの子にとって、結婚とは子供の戯れに過ぎないというのか!」

そう言うと、おばあさんは黙ってテーブルに置かれたジュエリーに一瞥をくれ、優しい眼差しで月島優奈を見た。「優奈、安心しなさい」

「君はこんなに孝行者なのだ...

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