第8章:ママの写真を見たい

咲良は少し機嫌が悪く、階段を降りるときに小さな口を尖らせていた。その姿に上田景川は思わず二度見してしまった。

小さな少女は上田景川の前に駆け寄り、大きな潤んだ瞳で彼を睨みつけた。「さっき、私に隠れておばさんをいじめたでしょ!」

「おばさんをいじめちゃダメって言ったのに、なんで言うこと聞かないの!」

そばに立っていた白石健健は、彼女の言葉に驚き、ほとんど膝をつきそうになった。

このお姫様、社長の娘だからって、こんな口調でボスに話すなんて!

しかも「なんで言うこと聞かないの」って……

白石健は深く息を吸い、次の瞬間には社長が怒って小さな娘を泣かせるのではないかと心配した。

しかし、...

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