第193章

クリスマスの朝、氷川邸。

リビングの暖炉のそばで、氷川の祖母は熱い茶が入ったカップを両手で包み込み、珍しく穏やかな笑みを浮かべていた。

普段は冷たく静まり返っているこの屋敷も、祭日の間だけは人の営みを感じさせる温かさを帯びる。

庭の松の木にはイルミネーションや飾りが施され、屋内も簡素ながら飾り付けられており、それなりにクリスマスの雰囲気が漂っていた。

「大奥様、月島様がいらっしゃいました」

手伝いの小林の声に、祖母は目を輝かせ、茶器を置いた。

「お通しして」

月島葵は米色のカシミヤコートを身に纏い、手にはいくつかの洒落たギフトボックスを提げている。彼女は温和な笑みを浮かべてリビ...

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